ホストゴールデンエイジ(13歳頃以降) ~ より個人に目を向けた指導 ~

 筋肉や骨格が急速に伸び、体のバランスが今までとは異なってきます。そのために感覚が狂い、習得した技術が一時的にできなくなったり、上達に時間がかかったりします。このことを「クラムジー(Clumsy)」と呼びます。この時期には次のようなことが指導のポイントとなります。

 ・新しい技術の習得よりも、今まで身につけた技術・習得を実戦状況の中でも発揮できるようにしましょう。

 ・ホルモンの分泌が著しくなり、速筋繊維の発達が促される時期なので、これまで身につけた技術をより速く、より 強く発揮できるように少ない回数や短い時間に集中して行いましょう。

 ・この頃になると戦術的なことも理解できるようになります。基本的なグループ戦術やフォーメーションの練習で、野球の視野を広げさせましょう。

 ・この頃は、肉体的にも精神的にも非常に不安定な時期であり、指導において特に難しい年代です。「クラムジー」「思春 期」「反抗期」についてよく理解し、それぞれの子供にあった指導を心がけましょう。特にこの頃になると男女の差がはっきりしてきます。女子は男子よりも早く思春期が始まります。

 ・子供達の体格、体力的に差が大きいのもこの時期です。画一的な指導ではなく、一人一人を理解し、それぞれの子供にあった指導を心がけましょう。

インディペンデントエイジ(15~16歳以降) 

 クラムジーが終わると、自立のための準備期になります。この時期には、精神的にも肉体的にもバランスがとれるようになり、それまで身につけた野球の「基本」を土台として、さらにその上に自らの個性を発揮できるようになるのです。次のようなことが指導のポイントになります。

 パワーはこの時期から17~18歳にかけてスパートしているため、13歳以降のトレーニングに加え、ジャンプ系の運動が可能になります。(ただし、個人差が大きいので、負荷のかけ方には注意が必要)

 自己の特徴をよく知り、それを伸ばすように自ら取り組みことができるようになります。

 能力に応じた環境の提供が必要になってきます。(*天井効果の防止)


*天井効果・・・様々な能力の集まった集団の中でトレーニングしていると、中程度の能力を持った選手はどんどん伸びて いくのに対して、能力の高い選手は伸びが低下してしまう(天井が塞がれてしまう)現象(Ceiling Effect)


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