プレゴールデンエイジ(~8・9歳頃) ~ 野球の楽しさを伝える ~

 ひとつの動作によって、ひとつの“神経回路”が形成されるという、神経回路の配線が急ピッチで遊んでいる時期です。運動能力の基礎は、この年代で形成されます。従って、この年代の子供達には野球だけでなく、色々な遊びを経験させ、ボールに触れることの楽しさや身体を動かすことの喜びを教えて、“野球が好き”という状態で次のステージへと送り出すと良いでしょう。

 この時期の子供は、楽しそうなこと、興味のあることには夢中になりますが、おもしろくないと感じればすぐにやめてしまいます。指導者は、子供達が飽きない練習内容や練習の進め方を工夫しなければなりません。つまり、子供達がその時その時で興味を示したこと、楽しんでいることを大切にしながら、自主性を損なわせないように練習を行うことが重要です。ボールを使った鬼ごっこなどの様々な遊びや多面的な活動、一人一人がたくさんボールに触れる機会を与えてあげるよう工夫すると良いでしょう。

ゴールデンエイジ(9~12歳頃) ~ 実践的な技術の定義 ~

 神経系の発達がほぼ完成に近づき、形成的にもやや安定した時期ですから、動きの巧みさを身につけるのにもっとも適しています。この時期は一生に一度だけ訪れる、あらゆる物事を短時間で覚えることのできる「即座の習得」を備えた時期(ゴールデンエイジ/Golden Age)なのです。また、精神面でも自我の芽生えとともに、競争心が旺盛になってくる時期です。従って、指導者は子供達に、クリエイティブな選手になるために必要な要素=判断を伴う実戦的で正確な技術=、つまりは「野球の基本」を身につけさせることを心がけましょう。ゲームを通して「基本」の必要性を理解させ、反復練習によって、野球選手として将来大きく成長するための基礎を子供達に作ってあげることが大切です。

 「ゴールデンエイジ」と呼ばれるこの時期には、プロが見せるような高度なテクニックも身につけることが可能です。一度習得した技術は大人になってからもずっと身についています。従って、この時期に多くの技術を学ばせることが、将来大きくのびるための大切なポイントとなるのです。ところが、この時期は筋肉が未発達なため、強さや速さに対する体の準備はできていません。ですから、スピードや力強さを要求するのではなく、大人になっても必ず残る財産ともいえる「技術」や「コントロール」などを身につけさせるよう心がけましょう。


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